リンパ浮腫の保存療法

リンパ浮腫の治療の基本は、「複合的治療」と呼ばれる保存療法です。

複合的治療には、以下の4つが含まれます。

1.　圧迫療法（弾性ストッキング、スリーブ、包帯など）

2.　マッサージ（リンパドレナージ）

3.　スキンケア

4.　圧迫した状態での運動療法

この中でも、一番重要なのは圧迫療法です。かなりのむくみ解消が望めます（8割くらいの方は、手術をせずに保存療法だけで十分症状が軽くなっていきます）。弾性ストッキング、弾性スリーブだけでも100種類以上ありますし、弾性ストッキングに包帯を組み合わせたり、ストッキングを重ねてはいたりすることで、バリエーションは無限にあります。ストッキングをはいていたら痛くてやめてしまったことがある方も、手の力が弱くて強いストッキングをはけない方も、皮膚がかぶれやすくて圧迫療法がうまくいかなかった経験のある方も、弾性包帯が大変すぎてやめてしまった方も、まだまだあきらめるのは早いです。今お持ちのストッキングも、はき方のコツを習うだけでずっと快適にはけるようになります。外来通院が難しい場合は、入院でストッキングを選んだり、はき方を練習したりすることもできます（詳しくはコチラ）。ぜひご相談ください。私も毎日弾性ストッキングをはいていますけれど、快適ですよ！

テルモのホームページ（真ん中くらい）に弾性ストッキングのはきかた動画があります。わかりやすいので、そちらも見てみてください。

リンパ節郭清を伴う悪性腫瘍手術後のリンパ浮腫の場合、弾性ストッキング、弾性スリーブ、弾性包帯は、保険がききます（療養費支給）。申請には医師の作成する「弾性着衣等装着指示書」や購入したときの領収書などが必要です。

手術を行う際も、手術前、手術後の保存療法は必須です。手術を行うことで、保存療法の効果を大きくすることができます。また、手術後には保存療法を軽くしたり、状態によっては弾性ストッキングをはかないお休み日を作れたりすることもあります。