リンパ浮腫に合併する蜂窩織炎は、
突然の赤みと発熱を伴う、早期治療が必要な感染症です。
リンパ浮腫のある方の約30%に発生すると言われていて、
急激に高熱が出ることもあります。
陰部などにリンパの水疱ができている場合は、蜂窩織炎を起こしやすいです。
■ この症状があれば要注意
以下の症状があれば、蜂窩織炎の可能性があります。
・リンパ浮腫の部分が赤い
・触ると熱い
・発熱(出ないこともあります)
■ なぜ起こるのか
リンパ浮腫ではリンパの流れが低下しているため、
免疫が低下しています。
目に見える傷がなくても感染が起こることがあります。
お正月、お引越しなど、疲れた時に起こりやすいです。
■ 繰り返すとどうなるか
蜂窩織炎を繰り返すと、
リンパ管にダメージが蓄積し、
リンパ浮腫の悪化につながります。
■ 早めの対応が重要です
「いつもと違う赤み」や「急な発熱」を感じた場合は、
できるだけ早く医療機関を受診してください。
■ 蜂窩織炎は予防できます
蜂窩織炎の治療は、早期の抗菌薬(抗生剤)治療と安静が基本です。
🏠 水分がとれて食事ができる場合
自宅での治療が可能なことが多いです。
🚨 以下の場合は、入院治療が必要になることもあります
上記に当てはまる場合は我慢せず、救急病院や皮膚科、または主治医に早めにご相談ください。
発熱がある間は、無理をせず体を休めましょう。
医療機関で処方された抗生剤を、指示通り最後までしっかり内服します。
赤くなった部分を冷やすことで、炎症や痛みがやわらぎます。
氷水を入れた袋などを使い、一か所に当て続けず、ころころと動かしながら、赤いところ全体を冷やします。
可能であれば、圧迫療法は継続します。
痛みが強い場合は、一時的に少し緩めのストッキングを使うなど、無理のない範囲で調整してください。
リンパ浮腫に伴う蜂窩織炎では、患部を冷やすことで痛みや炎症が軽くなることがあります。
冷たすぎる氷などを直接当てるのではなく、保冷剤をタオルに包むなどして、心地よい程度に優しく冷やしてあげてください。
現在では、痛みのない範囲、可能な範囲で圧迫療法を継続した方がよいと考えられています。
ただし、熱や痛みが強くてはくのがつらいときなどは決して無理をせず、一旦お休みして主治医やセラピストにご相談くださいね。
高熱が出ると体力が消耗しやすくなります。十分な水分と栄養を摂り、体力をしっかりと維持することがとても重要です。
食欲がないときは無理をせず、ゼリーやスープなど、喉を通りやすくて消化に良いものから少しずつ口にしていきましょう。
蜂窩織炎は、適切な治療により予防できることが多いです。
特に重要なのは、現在の状態に合った治療を選ぶことです。
■ 予防のために大切なこと
① 圧迫療法の見直し
② 必要に応じた手術
③ 原因となる病変の治療
④ 繰り返す場合の内服治療
■ まず見直したいこと:圧迫療法
蜂窩織炎予防の基本です。
・圧が合っていない
・装着方法が適切でない
・むくみが残っている
といった場合、予防効果が十分でないことがあります。
圧迫療法を見直すことで、
むくみが改善し、蜂窩織炎が起こりにくくなることが多くあります。
■ 繰り返す場合:手術という選択肢
適切な保存療法を行っても蜂窩織炎を繰り返す場合、
リンパ管静脈吻合術(LVA)により、
発症回数が減ることがあります。
また、発熱が軽くなるなど、
症状の程度が改善することもあります。
■ 特定の原因がある場合
陰部にリンパ小疱がある場合、
そこから感染を繰り返すことがあります。
この場合は、リンパ小疱の治療が有効です。
■ 内服治療
蜂窩織炎を頻回に繰り返す場合は、
抗菌薬の予防的内服が検討されることもあります。
■ 大切なのは「今の状態」を知ること
リンパ管の機能やむくみの状態によって、
適切な予防方法は異なります。
現在の治療が合っているか不安な方は、
一度ご相談ください。