リンパ浮腫の患者さんのほとんどは、圧迫療法やリンパドレナージなどの保存療法を行うことで症状が改善します。しかし、中には思うような効果が得られないこともあり、そのようなときにはリンパ管機能をみる検査をおすすめします。リンパ管の機能は、見た目からはわからず、リンパシンチグラフィやICGリンパ管造影などの検査が必要です。リンパ浮腫の治療法を決めるときには、現在のリンパ管の機能を調べておくことが重要です。JR東京総合病院ではリンパ管機能検査を重要視しており、リンパ管機能がいい場合、悪い場合、それぞれに応じて治療法をご提案します。
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リンパ管の全身的な機能評価ができます。診療方針を決定するにあたって、最も重要な検査です。 深いところのリンパ管まで見えます。
手や足に薬剤を注射すると、この薬剤がリンパ管に取り込まれ、リンパ管の力の強さや、どこにたくさんリンパ液がたまっているかなどがわかります。
リンパシンチグラフィは第一段階の検査なので、ここでリンパ管が見つからなかった場合も、他の検査をすればリンパ管が見つかることもあります。
新しいリンパ管機能検査です。ICG(インドシアニングリーン)という薬剤を手や足に注射すると、リンパ管をリアルタイムで観察できます。
リンパ浮腫の部位が鮮明に映し出される様子を、患者さんやご家族にも実際に見ていただける、わかりやすい検査です。
手術直前にリンパ管を探すのに使うほか、ごく早期のリンパ浮腫も診断できますので、「私はリンパ浮腫?」と心配なときにもおすすめの検査です。外来でICG検査を希望される場合はむくみクリニックをご紹介しています(自費診療になります)。
痛みもなく、身体に負担のない検査です。最も新しい検査で、より詳しいリンパ管の検査ができるようになりました。超音波検査には3つの目的があります。
①深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)との鑑別診断を行うこと。
②むくみがどこにあるのかを正確に診断すること
③リンパ管の位置や状態を診断すること。最新の技術では、0.5mm程度のリンパ管が観察できるようになりました。リンパシンチグラフィやICG検査でリンパ管が見つからなかった場合も、超音波を使うとほとんどの方でリンパ管が見つかります。