重症のため通院での治療が難しい場合や、遠方にお住まいで地元にセラピストがいない場合など、入院で集中的に保存療法を行っています。2週間で、圧迫療法などのセルフケアを練習していただきます。「入院して治療を受ける」というより、「入院してセルフケアの練習をしっかりする」というのが当院の入院保存療法の特徴で、それによって退院後もいい状態を保つことができます。理学療法士、作業療法士による運動指導も行いますので、日常生活のなかで困っていることがあれば、どんどんご相談ください。入院前よりも退院時、退院時よりもその後の生活で、浮腫の状態がよくなって、元気に生活できるようになることを目指して治療を行っています。一緒に100歳まで元気に歩ける体作りをしましょう!
1.圧迫療法
包帯による圧迫療法、マジックテープを使った装具による圧迫療法、ストッキングによる圧迫療法など、患者さんに合わせて組み合わせていきます。圧迫療法にはいろいろなやり方がありますので、ほかの医療機関で治療がうまくいかなかった方も、工夫次第でむくみが改善することが多いです。入院中にがんばって治療して細くなっても、退院後に元に戻ってしまっては残念ですので、自宅に帰ってからも続けられる圧迫療法をしっかり練習します。
2.リンパドレナージ(マッサージ)
圧迫療法に加えて専門のセラピストによるリンパドレナージを受けることで、より効率的にむくみの軽減ができます。必要に応じて自宅でも行えるマッサージを指導します。自宅でのマッサージは必須ではありませんが、むくみの状態が悪い日などに行っていただくと効果的です。
3.圧迫した状態での運動療法
包帯やストッキングなどで圧迫した状態で運動をすると、よりむくみ改善効果が高くなります。特に高齢のリンパ浮腫の方は、筋力低下もあり、日常生活での活動が低下していることが多いです。入院中は理学療法士と相談しながら、1日7000歩を目標に歩いていただき、かかと上げ運動やスクワットなどの筋力訓練もおこなっていきます。膝関節や股関節に痛みがある方は、1人用のプールを使って水中歩行を行うこともできます。むくみの治療を行うだけでなく、健康的に、いつまでも自分の足で元気に歩ける体作りを行います。